SATOメソッドと漢方
随分昔から「頭寒足熱」という健康指標がありました。足が温まって頭がクール(すっきり)になるという理解です。
当センターに来院される患者さんは様々な病気や自覚症状を訴えてきますが、よく聞いてみると足が冷えて、呼吸が浅く、頭がのぼせている感覚といいます。SATOメソッドでは「頭熱足寒」状態と理解しています。
漢方では「冷えのぼせ」というようです。「肝」の働きが悪いとのぼせになり、「腎」の働きが悪いと冷えるともいいます。気功では気が高ぶるとか血が昇るとの言い方がありますが、まさに肝の上昇を指し、気力,体力がわかない、いわゆる虚弱状態は腎の低下を指します。
漢方はとても複雑ではありますが、かなり大雑把にいうと肝の機能を高め、のぼせを解消する生薬と腎の機能を高め、冷えを解消する生薬があり、その複雑な組み合わせによってつくられているように感じました。例えば、様々な病気や自覚症状に関して、すべての漢方薬はのぼせ解消が優位か、冷え解消が優位かの違いはあるものの、かならずひとつの漢方薬の中にはのぼせ、冷え用の生薬が入っているように感じます。
漢方薬を愛用している受療者にはご自身の自覚症状に合わせて、どの漢方薬が体に合っているかSATOメソッドの気感と気の重心を使って試してもらっています。例えば、現在の気の重心を確認したあと、漢方薬を手に持ったり、直接飲んだ後に気の重心が下がるかを確認します。
さて、SATOメソッドには収縮気と拡大気があります。収縮気優位のときは下半身が温かくなり、充実します。一方、拡大気が優位のときは上半身が涼しくなり、呼吸が深く、頭がすっきりします。
このように2つの気でバランスをとりながらパワーアップしてくると徐々に気の重心が下がり、身体感覚から意識体の感覚へと瞑想の世界に誘ってきます。
SATOメソッドと漢方はとても相性が良く、SATOメソッドを基盤として漢方をじょうずに活用されれば西洋薬とは違ったメリットが現れるのではないでしょうか。
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