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2017/01/23

遺伝子のスイッチON・OFFには2種類ある

 私達の体の形をつくっているのは遺伝子です。30億対のDNA、約2万個の遺伝子によってつくられます。(DNA→RNA→タンパク質)

 遺伝子に書き込まれた遺伝情報を引き出すためには遺伝子発現制御装置が必要になります。いわゆる遺伝子のスイッチON・OFFを行う装置です。

 ある資料によれば特定の非コード配列にある「エンハンサー」と呼ばれているDNAがあり、遺伝子発現がいつ,どこで起こるかを指示しているといいます。そして、遺伝子スイッチの構成要素として適切な時期と場所でONやOFFにする働きをするといいます。

 スイッチのもう一つの構成要素である「転写因子」というタンパク質はDNAの中からこのエンハンサーを見つけ出してそこに結合します。細胞の核内で転写因子がエンハンサーに結合すると、その遺伝子がONまたはOFFになるのか決まるのだそうです。

 すなわち、この遺伝子のON・OFFが働くことによって私達の体の形、基本構造がつくられます。言い方を変えると遺伝的要因として両親から受け継いだ基本設計図に書かれた遺伝情報を遺伝子発現制御装置を使って私達の体の形ができるのだといえます。

 一方、環境要因としてエピジェネティクスが注目されています。もう一つの遺伝子発現制御装置です。ある資料によるとエピジェネティクスはDNAの配列変化によらない遺伝子発現制御システムで、細胞分裂を通じて娘細胞に受け継がれるという遺伝的な特徴を持ちながらもDNA塩基配列の変化(突然変異)とは独立した機構といいます。

 また、このような制御は化学的な安定した修飾である一方、食事、大気汚染、喫煙、酸化ストレスなど環境要因によって動的に変化します。言い換えるとエピジェネティクスは遺伝子と環境要因の架け橋となる機構といえるといいます。

 具体的には、DNAメチル化とヒストン修飾があるといいます。DNAメチル化はDNAの塩基配列の中でどこでも起きるのではなく、部位が決まっています。それはシトシンとグアニンの2塩基配列が密になっている存在の領域で、CpGアイランドと呼ばれています。

 DNAのメチル化が働くと遺伝子のスイッチがOFFになり、遺伝情報が引き出せなくなります。それではDNAメチル化のよい点と悪い点を考えてみましょう。

 よい点は、特定の遺伝子を不活性化することで、異常遺伝子の発生を防ぐことができます。悪い点は、例えば、がん抑制遺伝子がメチル化すると、細胞増殖の抑制が利かず、がん化が進んでしまいます。

 次にヒストン修飾について述べます。核の中のDNAはヒストンというタンパク質にぐるぐる巻きしているといいますが、きつく巻き付いている部位(ヘテロクロマチン)とゆるく巻き付いている部位(ユークロマチン)があり、前者は遺伝子が発現されてなく(不活性化)、後者は発現されている(活性化)といいます。

 いわゆる前者は遺伝子のスイッチがOFFになり、後者はONになります。いわばDNAの巻かれ方によって遺伝子のスイッチがONになったりOFFになるのです。そして、様々な環境要因によって遺伝子のON・OFFが動的に変化します。

 ある資料によれば、最近は多くの研究者がエピジェネティクスの異常と病気との関わりに注目しています。たとえば、慢性胃炎や胃がんを引き起こすヘルコバスター・ピロリー菌や肝臓がんの原因となる肝炎ウイルスは強いメチル化異常を引き起こす作用があることがわかってきたといいます。また、パーキンソン病、膠原病、糖尿病などにもエピジェネティクな異常が関わっているとの報告もあるようです。

 当センターに来院されている医師や生命科学の専門家はエピジェネティクスの異常と病気との関わりにSATOメソッドはおおいに貢献できるのではないかといいます。

 

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